あなたの運送会社では、人手不足の原因を本当に把握できていますか?
求人が来ないからどうしようもない.....
って諦めていませんか?そんなあなたの会社は、社員が定着していますか?
結局、辞めて行く人間が多い会社は、何度求人で新しい人間を入れても根本的な解決にはなりません。
運送業は一般の会社に比べて、社員の入れ替わりが激しい業種なのは間違いないですが、今一度、内部の対策(既存の社員を定着させる方法)を考えた方が良いでしょう。
とはいっても、経営サイドにドライバーの「本当にリアルな不満や思い」は分かりにくいと思います。それは、ドライバーが経営サイドの思いが分からないのと同じです。
ですから、不満を抱えて辞めて行ったドライバー達を散々見てきた私が、リアルにドライバーサイドの不満(内部要因)を書いて行きます。
主な不満要素をあげると3つです。
- 配達のエリアやコースの偏りが酷い
- 仕事内容と給料が見合っていない
- 人手不足が改善される未来が見えない
それでは、それぞれを解説します。
この記事を見れば外部原因(求人が集まらない)の前に、内部の原因(既存の社員が辞める理由)が分かり、対策を考える事が出来るでしょう。それではご覧ください。
外部原因(求人が集まらない)対策を先に考えたいた方は、コチラの記事も参考にして下さい。
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トラック運転手が人手不足の内部原因①『配達のエリアやコースの偏りが酷く不満』
配送コースやエリアは、管理者もしくはトライバーのリーダーなどが決めていると思います。それで良く有るのが、「偏り」です。
特にひどい場合が、管理者が気に入っている人間や、口うるさくてめんどくさい人間を特別扱いして、良いコースを割り当てている場合.....
コースやエリアを全て公平にするのは不可能ですが、理不尽な「偏り」が続くと、運転手サイドは不満が徐々に溜まっていきます。
特に、文句も言わずモクモクと仕事をこなしている良い人が、きついコースを振られやすく損をする事が良く有りますよね。
良い人や社歴の浅い人間がコースの「偏り」の餌食に.....。そして.....ある日耐えられず辞めて行く.....
この事を、管理者は良く把握しておきましょう!!「いや、それ位分かってるわ!」って思うかもしれませんが、理不尽な「偏り」になっていないか今一度確認して欲しいです。
管理者が思っているよりも、運転手は誰がどのコースを走って、どの位自分と差が有るのかを把握しています。すぐに不満を言える人間もいますが、立場や性格が邪魔してハッキリ言えない人間がいる事もお忘れなく!!
トラック運転手が人手不足の内部原因②『仕事内容と給料が見合っていない』
トラック運転手は、運ぶ荷物やトラックの種類で仕事内容は様々ですよね。
手摘み手降ろしの様な体力仕事はもちろんキツイですし、長距離で中々帰ってこれないのもパンチあります。
その一方で、近郊の数件だけ回るルート配送など「え!?これで終わり!?」って仕事も.....。
例えば私の会社では通常の運行が10時間以下で、週に一回は昼のみ(約6時間)で終わりみたいな部署があります。
これ運送会社では考えられませんよね?当然、そのような部署に入った人はまぁ~辞めません!
しかも、他の部署で10.5時間~13時間くらいの労働時間の仕事と、さほど給料が変わらない.....
なぜ、そんな事になるかと言いますと、荷主によって利益率が違うのが原因です。私の会社の場合は、仕事内容が楽だろうがキツかろうが、利益率の高い仕事(儲かってる仕事内容)の給料が高くなっています。
これでは、当然ドライバーの不満は溜まる一方です。「給料の額や給料明細は他部署に漏らすな」的な暗黙のルールが有りますが、そんなもの運転手達は守るわけありません。
運転手は情報に敏感な人間が多いです。常にもっと働きやすい仕事内容や給料を求めています。
ですから、色々と難しい点はあると思いますが、売り上げで運転手の給料を決めるのではなく、仕事内容をきちんと検証し仕事に見合った給料を算出してください。
また、身近な他の運送会社の求人などは定期的にチェックしましょう。同じような仕事内容であれば、給料や待遇の良い会社に目が行っちゃいますから。
経営サイドが思っている以上に、ドライバーは他の会社の求人情報を見ています。1人が他の会社に移った後、残っているメンバーを誘って一気に複数人辞めると言った事が結構ありますからね。
ですから、既存の運転手達が有る程度納得して働ける環境にしなければ、他の待遇の良い運送会社に行ってしまい、人手不足の原因になります。
トラック運転手が人手不足の内部原因③『人手不足が改善される未来が見えない』
人手不足で経営サイドが悩んでいるのと同じ位に、ドライバーサイドも人手不足を悩んでいます。
特に不満が溜まってしまうのが、新しく入ってきた新人に仕事を散々覚えて貰って、さあやっと1人立ちで走ってくれると思っていた矢先に辞める.....。
これがホントにこたえます.....
なぜなら、新人が入ってきて仕事に慣れるまでは、走りやすいコース(楽なコース)を割り当てるので、その分残っている人間はきついコース(物量が多い・労働時間が長い)を走らないといけません。
それは当然でしょうがない事ですが、新人が入っては辞めの繰り返しが続くと、残っている人間の不満は溜まる一方です。
また、人数が足りない状態の部署では新人が独り立ちするまで、強制的に休日が少なくなる場合もあります。
「いつまでこんな状況が続くんや!!」
「ええかがえんワシらばっかりキツイとこ無理やで!!」
「いつになったら休みが普通に取れるんや!!」
と言った言葉が事務所で飛び交うように......。
これ結構深刻!!そもそもドライバーの多くは先の見えない仕事が嫌いです。仕事を円滑に早く終わらせるために、段取よく準備し目的の場所に運ぶプロですからね。
ですから、「人手不足改善の為に○○の対策をしていて、半年後に○○になる事が目標だ」といったビジョンをハッキリと会社は見せるべきです。そして、問題と対策をドライバーと共有しておく必要があります。
ドライバーの意見を聞きながら、どうすれば
- 新人が定着するのか?
- 既存の人間の不満を少なくできるか?
などをよく相談し、人手不足という問題を一緒に解決していくという意識が重要だと私は思います。
それが十分に出来ていれば、仮に目標通りにいかなくてもドライバーの不満は経験されるでしょう。
実際に私の会社では人手不足の問題に局面し、求人者に対して体験期間(アルバイト扱い)を1週間程度と短めに設定し、そこで続けれるようであれば本格的に使用期間から開始する事を始めました。
それにより「この仕事が向いてない無理.....」って人は1週間後に去り、次の新しい人が体験するという流れで回転率が速くなり、定着していける新人が早めに見つかりやすくなりました。
また、既存のドライバーの休日出勤手当が¥2,000程上がり、新人が揃うまで休日が少ないドライバーへの配慮も実施されています。
そして、何より変わったのがドライバーに
- 現在の人手不足状況
- 新人が入って来る予定
- 今後の求人予定
- 今後の人手不足対策
を書面でドライバー達に配るようになった事。
それにより、ドライバー達も今の現状をリアルに把握し、新人の扱い方などを自分達でも積極的に考え、意見するようになりました。
当たり前の事ではありますが、終わりのない所を不満をもって停まっていた人間も、ゴール(一応の目標)が見えるとガラッと変わります。
ですから、人手不足で新人が定着していない場合は、既存のドライバーの不満が爆発する前に、情報を共有して一応の目標(ビジョン)を示し、会社全体で人手不足の問題に取り組んでいく姿勢が今後特に重要です!!
まとめ
今回の記事を簡単におさらいすると
- 配達のエリアやコースの偏りが酷い
- 仕事内容と給料が見合っていない
- 人手不足が改善される未来が見えない
この3つがトラック運転手の人手不足の内部原因という事を、私の会社の事例も含めて解説させて頂きました。
あなたの運送会社で同じ状況、あるいは近い状況ではなかったでしょうか?
これを見ている運送会社の経営サイドもしくは管理者の方は、今回の様な内部原因を自分の会社にあてはめて考えてみて欲しいです。
ちょっとした配慮で、ドライバーサイドの不満って変わったりしますからね。
結局、既存の人間が定着する運送会社でなければ、求人をいくらして人を集めても、底に穴の開いたバケツに何度も水を入れているのと同じです。
ですからまずは人手不足の内部原因を改善しましょう。その後、もしくは同時進行で外部原因(求人対策)を考えるのが得策です。
これからの世の中、人手不足は徐々に進行して行く確率が高いと思いますが、諦めずに出来る事からコツコツやっていきましょう!!
求人が来ない運送会社の為の、重要な改善方法(外部対策)を知りたい方はコチラの記事を参考にして下さい
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